日本語の「ラ行」との違い

⚠ 3つの音を混同しがち

日本語の「ラ行」(ら・り・る・れ・ろ)は「弾き音」[ɾ] です。舌先が歯茎を一瞬だけ軽く弾く音で、ロシア語のРともЛとも異なります。

Р [r] = 舌先が歯茎の近くで何度も素早く振動する(ふるえ音=トリル)
Л [l] = 舌先が歯茎にしっかり触れたまま、空気が舌の横(両脇)を通る(側面音)
日本語「ラ」[ɾ] = 舌先が歯茎を一瞬だけ弾く(弾き音)

Р の発音 ― [r](ふるえ音)

音の特徴

Рは「有声・歯茎ふるえ音(トリル)」です。舌先が歯茎付近で高速に2〜3回振動します。

日本語の「ラ」では舌先が一度だけ弾きますが、Рでは何度も連続して弾けます。舌先をリラックスさせて、息の力で振動させるのがポイントです。自分で舌を動かすのではなく、息の流れに任せて舌が勝手に振動するようにします。

口の中の図解 ― Р [r]

2〜3回 接触 歯茎 硬口蓋 軟口蓋 口蓋垂 舌先は力を入れない 🔊 声帯を振動させる
Р [r] ― 舌先が歯茎付近で振動する

発音の手順

  1. 舌先を歯茎に軽く当てる。上の前歯の裏から少し奥の盛り上がった部分(歯茎)に舌先を軽く置きます。日本語の「ラ」と同じ位置です。
  2. 舌先の力を完全に抜く。これが最も重要です。舌先はぶらぶらに柔らかく。自分で動かそうとしないでください。
  3. 強く息を吹き出す。息の力で舌先が勝手に振動し始めます。唇を「プルルル」と震わせる(唇のふるえ)のと同じ原理です。
  4. 声を足す。のどを振動させると「ルルルル」というР音になります。

💡 段階的な練習法

ステップ1:まず唇を「プルルルル」とふるえさせてください。これは多くの人ができます。
ステップ2:次に、舌先を歯茎に軽く当てて同じことをします。「トゥルルルル」のような音が出れば正しい方向です。
ステップ3:日本語の「ラ」を素早く繰り返します。「ラララララ」とだんだん速くすると、自然にふるえ音に近づきます。
ステップ4:「ドゥラ」「トゥラ」のように「ド」「ト」の後にР音を出す練習をすると、舌が振動しやすくなります。

Л の発音 ― [l](側面音)

音の特徴

Лは「有声・歯茎側面接近音」です。舌先が歯茎にしっかりと接触したまま離れず、空気は舌の両脇(左右)を通って出ます。

日本語の「ラ」との違い:「ラ」は舌先が一瞬弾くだけですが、Лは舌先がずっと歯茎に付いたままです。Лの音を長く伸ばすことができます(「ルーーーー」)。「ラ」は伸ばせません。

口の中の図解 ― Л [l]

接触! 中央↓ 後舌↑ 軟口蓋化 気流は舌の両脇を通る 歯茎 硬口蓋 軟口蓋 口蓋垂 🔊 声帯を振動させる
Л [ɫ] ― 側面図:Wプロファイル(先端↑中央↓後部↑)
正面断面図(前から見た図) 接触 気流 気流 舌の両脇に隙間 気流は舌の両脇を通る
Л [ɫ] ― 正面断面図:気流は舌の両脇を通る

発音の手順

  1. 舌先を上の前歯の裏(歯茎)にしっかり押し当てる。日本語の「ラ」の位置と同じですが、弾かずに当てたままにします。
  2. 舌の中央を少し下げる。舌先は歯茎についたまま、舌の両脇に隙間を作ります。
  3. 声を出す。空気が舌の横(左右)を通って出ます。「ルーーーーー」と長く伸ばせます。
  4. 伸ばし続ける。Лは摩擦音と同様に長く伸ばせる音です。「ルーーー」と5秒伸ばせれば正しい位置です。

💡 Лの確認方法

「ルーーーーー」と言いながら、舌先が歯茎から離れていないか確認してください。舌先がずっと付いていて、それでも音が出ていれば正しいЛです。日本語の「ル」は舌が弾くので、伸ばすと途切れてしまいます。

Р・Л・ラ行 の比較

舌先の動き伸ばせるか回数
Р [r]歯茎付近で振動はい(ルルルル…)2〜3回以上
Л [l]歯茎に接触したままはい(ルーーー)ずっと触れている
ラ [ɾ]歯茎を一瞬弾くいいえ1回のみ

練習単語

Р を含む単語

ロシア語発音ヒント意味
рабо́таラボータ(巻き舌で)仕事
ру́сскийルースキイロシア(の)
доро́гаダローガ
горо́дゴーラット
река́リェカー

Л を含む単語

ロシア語発音ヒント意味
ла́мпаラームパ(舌先接触で)ランプ
большо́йバリショーイ大きい
шко́лаシコーラ学校
молоко́マラコー牛乳
лю́диリューヂ人々

聞き分け ― Р vs Л

рак
ザリガニ
лак
ニス・マニキュア
ро́за
バラ
ло́за
ブドウの蔓