「に」= 与格

日本語の「に」は「誰に」「どこに」を表しますね。ロシア語の与格も同じように「動作の相手」を示します。

Дать дру́гу
друг → другу(語尾が変わる)

「друг」(友達)に語尾「」が付きました。この「-у」が日本語の「に」と同じ働きをしています。

性別ごとの語尾変化

主格与格
男性 子音 + -у/-ю друг → дру́гу
女性 -а/-я -е/-и сестра́ → сестре́
中性 -о/-е -у/-ю окно́ → окну́

覚え方のコツ

男性と中性は同じ語尾(-у/-ю)。女性だけ別の形(-е/-и)。生格と同じパターンですね。

「に」の3つの使い方

a) 人にあげる — 動作の相手

Я дал кни́гу дру́гу.
私は友達本をあげた。
друг → другу(男性 + -у)
Он написа́л письмо́ ма́ме.
彼はお母さん手紙を書いた。
мама → маме(女性 -а → -е)

b) Мне нра́вится — 「私に好き」

ここがとても面白いところです。日本語とロシア語で発想がそっくりなのです。

Мне нра́вится ру́сский язы́к.
私にロシア語が好き。(=私はロシア語が好き。)

日本語とそっくり!

日本語:私は(=私にとって)ロシア語好き
ロシア語:Мне(=私に)нравится ру́сский язы́к

好きな人 = 与格(に)、好きなもの = 主格(が/は)。この構造が日本語とロシア語でぴったり一致しています。英語の "I like ..." とは全然違う発想です。

Ей нра́вится Токио.
彼女は東京が好き。
она → ей(与格の人称代名詞)

c) Мне ну́жно — 「私に必要」

Мне ну́жна кни́га.
私には本が必要。
Мне ну́жно рабо́тать.
私は働かなければならない。
「私にとって働くことが必要」→「働かなきゃ」

年齢の表現 — 与格を使う!

ロシア語では年齢を「〜に〜年がある」という形で言います。

Мне два́дцать лет.
私は20歳です。
直訳:「私に20年」
Ско́лько тебе́ лет?
何歳ですか?
直訳:「君に何年?」

面白い発想

ロシア語では「私20歳」ではなく「私20年がある」と言います。人を与格にして、年数を主語にするのです。日本語の「私は20歳です」とは構造が違いますが、すぐ慣れます。

Мо́жно + 与格 — 許可の表現

「〜してもいい?」「〜してはダメ」も与格を使います。

Мне мо́жно?
私はしてもいいですか?
Тебе́ нельзя́.
君はダメだ。(禁止)
Де́тям нельзя́ пить ко́фе.
子供はコーヒーを飲んではいけない。
дети → детям(複数与格)

練習問題

ロシア語にしてみよう

与格を使って次の文をロシア語で言ってみてください。

  1. 私は猫が好き。(Мне нравится...)
  2. 彼女は25歳です。
  3. 先生に質問する。
  4. 私は水が必要。
答えを見る
  1. Мне нра́вится ко́шка. — 「私に猫が好き」
  2. Ей два́дцать пять лет. — она → ей(与格)
  3. Задать вопро́с учи́телю. — учитель → учителю(男性 + -ю)
  4. Мне нужна́ вода́. — 「私に水が必要」