もう知っている仕組み

まず、普通の日本語の文を見てみましょう。

 本 読む

」があるから、「私」が話題だとわかる。「」があるから、「本」が読む対象だとわかる。

つまり、助詞が単語の役割を教えてくれるわけです。助詞がなかったら、誰が何を読むのかわかりません。

実は、ロシア語もまったく同じことをしています。ただし、やり方が少し違います。

ロシア語も同じことをしている

Я чита́ю кни́гу.
私は本読む。

日本語では、単語の後ろに助詞を付けます。ロシア語では、単語の語尾を変えます

кни́гу
語尾を変える(книга → книгу)

「книга」(本)の語尾「-а」が「」に変わりました。この「-у」が日本語の「を」と同じ働きをしています。

このように語尾を変えて単語の役割を示す仕組みを「格(かく)」と呼びます。

6つの格 = 6つの助詞グループ

ロシア語には格が6つあります。それぞれが日本語の助詞に対応しています。

1. は/が → 主格(Именительный)

студе́нт
語尾変化なし(辞書の形のまま)
Студе́нт чита́ет.

2. を → 対格(Винительный)

кни́гу
-а → -у
Чита́ть кни́гу.

3. の → 生格(Родительный)

студе́нта
— → -а
Кни́га студе́нта.

4. に → 与格(Дательный)

дру́гу
— → -у
Дать дру́гу.

5. で/と → 造格(Творительный)

ру́чкой
-а → -ой
Писа́ть ру́чкой.

6. で(場所)/に → 前置格(Предложный)

в шко́ле
-а → в + -е
Учи́ться в шко́ле.

完璧に一致するわけではない

注意

上の対応はあくまで「だいたい同じ」です。日本語の「に」がロシア語では与格になることもあれば、前置格になることもあります。逆に、一つの格がいくつかの日本語の助詞に対応する場合もあります。

でも心配しないでください。ここでは「ロシア語の格 = 日本語の助詞と同じ考え方」という感覚がつかめれば十分です。

次のレッスン7〜11で、それぞれの格をひとつずつ詳しく学んでいきます。

格変化の仕組み

ひとつの単語がどう変わるか、「кни́га」(本)で見てみましょう。

日本語の助詞
主格は/がкни́га
対格кни́гу
生格кни́ги
与格кни́ге
造格кни́гой
前置格で(場所)в кни́ге

今は覚えなくて大丈夫

この表を暗記する必要はありません。次のレッスンから一つずつ丁寧にやっていきます。今は「語尾が変わるんだな」とわかればOKです。

練習:助詞と格をマッチしよう

練習問題

次の日本語の文で太字の助詞は、ロシア語のどの格に対応するでしょうか?

  1. 寝ている。
  2. 飲む。
  3. 料理がおいしい。
  4. 子供プレゼントをあげる。
  5. 食べる。
答えを見る
  1. 」→ 主格(Именительный)— 主語を示す
  2. 」→ 対格(Винительный)— 目的語を示す
  3. 」→ 生格(Родительный)— 所有を示す
  4. 」→ 与格(Дательный)— 相手を示す
  5. 」→ 造格(Творительный)— 道具を示す